日本経済新聞に「あるくメカトロウィーゴ」に関する記事が掲載されました

2020年8月19日、『日本経済新聞』に弊社が開発した学習用ロボット「あるくメカトロウィーゴ」に関する記事が掲載されました。

 

【新聞記事全文】

二足ロボ、複雑な動き強み
九大発、小学生学習用に開発

リビングロボット(福島県伊達市)

九州大学発のスタートアップ、リビングロボット(福島県伊達市)は、2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化されたことを受け、学習用の二足歩行ロボットを開発した。本社は生産拠点のある福島県に置くが、主力の開発メンバーはロボット技術に詳しい九大大学院の倉爪亮教授の研究室(福岡市)に常駐する。川内康裕社長は「ロボットを通じ、子供の可能性を広げたい」と話す。

開発したロボットは「あるくメカトロウィーゴ」。メカトロウィーゴは造形家の小林和史氏が生み出したキャラクターで、講談社が漫画など関連事業を手掛ける。リビングロボットは学習用ロボット開発のため、ライセンスを取得した。

ロボットの大きさは約13センチメートル。頭に照度センサー、目にカメラ、腹部には距離センサーを内蔵する。肩や大腿部、足首などにモーターを搭載し、複雑な動きを実現する。制御用ソフトには比較的簡単に操作ができるとされる「スクラッチ」を採用した。

ロボットは歩いたり踊ったり、様々な動作が可能。だが、A地点からB地点まで歩くよう指示しても、狙い通りに動くとは限らない。半歩右にずれたり、前に行きすぎたり。個体によって動きに誤差が出ることも多く、その場合は改めて修正を指示する。川内社長は「ロボット一体一体に個性がある。誤差を修正するなかで開発の奥深さを学んでほしい」と話す。

設立は18年。シャープでスマートフォンなどを開発していた川内社長ら4人で創業した。シャープ時代に取引のあった電子機器メーカーがある伊達市で生産を委託する一方、創業前にロボット研究を通じて知り合った倉爪教授をアドバイザーに招き、九大伊都キャンパスにラボを構えた。技術者中心に社員と常勤役員の過半にあたる5人がラボに常駐。倉爪教授の助言を受けながら研究開発に取り組む。

開発したロボットは伊達市の小中一貫校に30台、福岡県中間市教育委員会に45台の供給が決まった。それぞれ今年中に小学校高学年などの授業で利用される見込みだ。

7月に中間市で小学校の教論向けに開いた研修会では、情報を入力してロボットが動く手順などを確認。教論からは「直感的な操作ができ、子供たちもなじみやすいのでは」との声が聞かれた。

日本の子供向けのプログラミング教育市場は25年に20年比2.1倍の約292億円になる見込み(船井総合研究所など調べ)。外資系大手も参入するなど競争は厳しい。川内社長は新型コロナウィルスの感染拡大を受けた遠隔授業にも対応し「競合に先行し、存在感を高めたい」と話す。

倉爪教授とは施設内を移動して案内する小型ロボットも開発中。日本版全地球測位システム(GPS)を担う準天頂衛星「みちびき」を利用し、ハウステンボス(長崎県佐世保市)で実証実験しており、将来の事業化を視野に入れている。(北九州支局長 山田健一)

九州経済2020年8月19日日本経済新聞より

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